2016年度(平成29年度)学習・教育目標

機械知能工学科

◆機械知能工学科(全コース共通)
A. 国際的に通用する教養・倫理を修得する。
B. 自然現象を科学的に理解するための能力を修得する。
C. 問題発見能力や問題解決能力を修得する。

◆機械知能工学科(機械工学コース・宇宙工学コース)
A. 自然・人文科学と機械工学の知識を応用することで問題を発見し解決することができる。
B. 機械システムを創造することができる。
C. 機械工学の社会への貢献を考えることができる。
D. 機械工学の実践が社会に及ぼす影響を理解することができる。
E. 「ものづくり」に必要な協働作業をすることができる。
F. グローバルな展開・応用のための国際的な視点を持つことができる。

◆機械知能工学科(知能制御工学コース)
自動車、家電製品、ロボット、プラントなどさまざまな対象を人の望む通りに動かすための基礎知識となる計測・制御工学および情報技術を教育し、制御に関する幅広い視野を養うことにより、社会の多様な分野で活躍できる人材を養成します。それを要約すれば次のようになります。

(A-1)「技術に堪能なる士君子」として世界で活躍するため、国際性・社会性を有する深い教養と技術倫理を身に付ける。
(B-1)工学基礎科目を学習することにより、自然現象を科学的に理解する能力を身に付ける。
(C-1)機械工学、計測・制御工学、電気工学、情報工学をバランスよく学習することにより、工学システムに対し柔軟な発想で取り組める能力を身に付ける。
(C-2)実験科目や演習科目を通して問題発見能力・解決能力を身に付ける。
(C-3)実験における少人数教育により、問題解決に必要なチームワーク能力を身に付ける。

建設社会工学科(全コース共通)

A「知識・理解」
 自然科学の基礎知識の上に、建設社会工学における構造工学、地盤工学にくわえて水工学もしくは土木計画学の基礎知識を習得し、さらに建設社会工学の「ものづくり」・「しくみづくり」に関する幅広い専門知識・技術を習得する。

A-1:数学、物理、化学に基づき自然現象の原理を科学的に理解する。
A-2: 構造工学、地盤工学にくわえて水工学もしくは土木計画学の基礎知識、建設社会工学の「ものづくり」・「しくみづくり」に関する幅広い専門知識・技術を修得する。

B「汎用的技能」
 建設社会工学に関する専門知識と技術を備え、問題解決能力と国際的な協働の場で活躍できる技術者としてのコミュニケーション能力を身につける。

B-1:建設社会工学に関する基礎的な実験・調査を計画、遂行し、結果を解析、考察する能力を身につける。
B-2: 社会的・技術的な問題を分析するとともに課題を発見し、建設社会工学の専門知識・技術を統合してその解決策を提示する能力を身につける。
B-3:技術者として必要なコミュニケーション能力を身につける。

C「態度・志向性」
 「技術に堪能なる士君子」としてより良い社会の実現に貢献する自覚を持つ。

C-1: 多様性のある文化、社会および自然の成立ちを理解し、それぞれの固有性を尊重することの重要性を理解する。
C-2: 文化、社会および自然の成立ちと技術がこれらに及ぼす影響や効果を理解し、技術者としての社会的責任、使命を理解する。
C-3:技術者の社会参加の重要性を理解し、社会の一員としての継続的な自己学習・研鑚の習慣を身につける。
C-4:チーム活動におけるチームの目標と自己の役割を理解し、協働の場で適切な判断と行動がとれる。

電気電子工学科(全コース共通)

 
 電気電子工学科は、電気工学コース、電子工学コースで構成され、次世代のエネルギー、デバイス、電子システム化技術の基本を習得し、発展し続ける科学技術の進歩に十分対応でき、国際社会の中でグローバルな目を持ってリードできる技術者の育成を目指します。
 本学科の「学習・教育到達目標」は以下のとおりです。

技術に堪能なる士君子となる素養の研鑽
(A) 豊かな教養や社会に対する責任感、国際的視野の習得。
(B) 電気電子工学の専門領域を理解するのに必要な工学基礎知識の習得と、それらを応用できる能力の習得。
(C) 電気電子工学に関する専門知識と、専門的課題を設定できる能力と、問題解決のために専門知識を「もの創り」に応用できる能力との習得。
(D) 物事を多面的・批判的に検証する能力と科学的に論理を展開できる能力の習得。
(E) 社会における工学的な課題を見つけ出して、自主性、計画性、チームワーク、コミュニケーションをもって課題を解決する能力の修得。

応用化学科

A .「技術に堪能なる士君子」として社会に貢献できる、深い素養を持つ個性豊かな人材を育成する。(技術者としての基本的思想と人格形成)
1.専門のみに偏らない広い学問的基礎を持ち、調和のとれた幅広い人間性を有する。
2.技術者としての倫理性を備え、社会的責任を果たすために自主的に問題を設定し、その解決方法を追求することができる。

B .科学技術に対してグローバルな視野と深い洞察力を持ち、専門分野における「もの創り」に取り組める基礎知識と問題解決能力を身につけた人材を育成する。(技術者としての基礎知識と学力の形成)
1.数学、物理、情報技術に関する基礎知識とそれらを応用できる能力を身につける。
2.有機化学、無機化学、物理化学、化学工学などの基礎知識を体系的に学ぶことで、継続的な学習力とそれらを応用できる能力を身につける。
3.基礎知識の修得に引き続き、応用化学の専門知識を学ぶことで、実践力を身につける。
4.修得した知識に基づき、自発的に実験や研究等を計画・遂行することで、解決手法のデザイン・実行力を身につける。

C.人類および地球との調和に貢献できる国際性と自立性を持つ人材を育成する。(国際性と自立性)
1.資源、エネルギー、および環境の重要性を深く認識し、これらと調和する「もの創り」を志向することができる。
2.共同作業を通じ、日本語を用いた論理的な記述力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を身につける。
3.継続的な外国語学習により、諸外国の技術者と共同作業が可能なコミュニケーション能力を身につける。

マテリアル工学科

 数学、自然科学、情報技術などの工学基礎およびマテリアルの構造・性質、機能・設計、及びプロセスについての専門科目を「マテリアル工学プログラム」に従って学び、以下の能力の修得を学習目標にしています。

(A)地球的規模でものごとを考える能力
(B)技術者として自然・環境および社会に対して責任のある自覚が持てる能力
(C)マテリアル工学を理解するための基礎的な数学および自然科学の知識の修得とそれらを応用する能力
(D)マテリアル工学の基礎知識および専門知識
(E)IT を活用して、マテリアルおよびものづくりの設計・調査・製作ができる基礎的能力
(F)相手の意見を聞いて理解することができ、それに対しての受け答えや自分の考えを相手にわかりやすく伝えるコミュニケーション能力
(G)技術者として国際的なコミュニケーションに参加できる基礎的能力
(H)ものづくりの一連の流れを修得し、実行に移すことができる基礎的能力
(I)チームの一員として、ものごとを成し遂げようとする能力
(J)与えられた課題に対し、自分でまとめることができ、文章で相手に意味を伝える能力

総合システム工学科

 総合システム工学科は、先端分野で活躍できる高度技術者・研究者になるために、機械工学と電気電子工学を中心とする複数分野の工学を学べる、先端的学際融合型の新しい学科です。その素地を作るために数学、物理学などの基礎教育を重視して、少人数教育を積極的に取り入れています。
 本学科の学習・教育目標は以下の通りです。

(A) 人文・社会科学を学び、広い視野でものごとを見ることができる豊かな教養を身につけます。
(B) 技術者倫理に基づき、技術者としての強い社会的責任感と判断力を身につけます。
(C) 数学、物理学などの基礎学力と情報技術に関する知識を備え、それらを柔軟に応用できる能力を身につけます
(D) 機械工学や電気電子工学を中心とする複数の専門分野をバランスよく学び、工学の複合的・融合的な諸問題に取り組める能力を身につけます。
(E) 技術者として新たな課題を自ら設定し、その課題解決に向け、リーダーシップをとって計画と実行ができる能力を身につけます。
(F) 国際的に通用するコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身につけます。
(G) 確かな基礎学力と複数の専門分野に関する高度な知識を有した数学教員や工業教員としても活躍できる能力を身につけます。

人文社会系科目

1.目的
1)豊かな人間性をもつ真の教養人としての技術者の育成。
2)多様な視点から物事を判断する能力の養成。
3)自ら問題を発見し答えていく姿勢の強化。

2.目標
1)知識・理解
→ 人間科学基礎科目・人文社会系の各選択必修科目において、多様な人間、社会及び文化に関して理解する。
→ 人間科学基礎科目・人文社会系の「職業と社会」において、工学・技術が社会で果たす役割を理解する。
→ G(グローバル教養)科目において、グローバル化を背景とした現代社会の技術者に不可欠な多様な文化、価値観についての理解を深める
2)汎用的技能
→ 副専門人間科学科目・上級科目の各選択科目において、問題解決に必要な論理的・批判的思考力、分析力、説明能力を修得する。
→ 人間科学基礎科目・人文社会系の「日本語表現法」において、背景や文脈を理解して適切に説明できる日本語能力を修得する。
3)態度・志向性
→ 副専門人間科学科目・上級科目の各選択科目や、副専門人間科学科目・人間科学総合科目のテーマ別リレー講義及びリレーセミナー等において、自己を律する自己管理ができ、自発的な活動ができることを目指す。
→ 人間科学基礎科目・人文社会系の「日本語表現法」において、人々と協調でき、個人の能力も発揮できることを目指す。
→ G(グローバル教養)科目において多様な文化・価値観に寛容な態度・指向性を身につける

3.科目の内容
・具体的内容については、各科目のシラバスを参照。

4.履修上の注意
・人間科学基礎科目・人文社会系の選択必修科目では、全体を三つの科目群に分け、学科ごとに当該学期の履修科目群が指定される、指定科目群制度を取っている。学期始めに配布される説明プリントを熟読し、各学期の開講日に、履修を希望する授業に必ず出席すること。

外国系科目(英語)
総合英語について(必修科目:1、2年次)
1.目的および目標
 1、2年次の必修科目である英語は、高校までに習得した英語の能力を、全ての技能について高め、国際的な視野を持つ教養豊かな社会人としてふさわしいコミュニケーション能力を身に付けることを目的とする。
 英語AⅠ/AⅡ(1年次)では、口と耳によるコミュニケーション能力の涵養に加え、英作文とプレゼンテーション技能の訓練も行なう。きめ細かな対応が必要となるため、少人数クラス編成を行っている。英語A では、CEFR A2 のレベルを目標としている。
 英語BⅠ/BⅡ(1年次)は、英語AⅠ/AⅡと補完的に機能する科目で、読解力を中心に4技能を訓練する。読解力については、CEFR B2 を参照した読解レベル(「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテキストの主要な内容を理解できる。」)を目標としている。
 英語CⅠ/CⅡ(2 年次)は、英語AⅠ/AⅡやBⅠ/BⅡにおける学習内容を深め、応用力を高めることを目標としている。また、動機付けを高める要素としてテーマ選択制(「異文化理解」、「時事問題」、「実践英語」の三つ)としている。英語を「使用」する意識を高める科目である。
 英語DⅠ/DⅡ(2年次)は、ドイツ語Ⅲ/Ⅳ、中国語Ⅲ/ Ⅳ、フランス語Ⅲ/Ⅳ、韓国語Ⅲ/Ⅳを合わせた選択科目群から選択する科目で、総合英語AⅠ/AⅡ、BⅠ/BⅡ、CⅠ/CⅡの学習内容を補完する。世界の諸問題を題材に批判的思考力を身につけるととも、自分の意見を発信できる英語運用能力を涵養する。なお1年次に本学で一斉受験したTOEFL ITP スコアの高い学生に対し、アドバンスト・クラスを設けている。英語D では、CEFR A2 のレベルを目標としている。
*CEFR: Common European Framework of Reference for Languages 欧州共通言語参照枠

2.履修上の注意
1)出席率が3分の2以上ないと、原則として受験資格を失う。(九州工業大学工学部学修細則 第11 条2)
2)開講年次に全て履修することを原則とする。再履修の場合、時間割上の制限が出てくるため、科目の開講年次に単位修得することを強く勧める。なお、再履修については事前に必ず担当教員に相談すること。
3)編入生の場合も、必ず担当教員に相談すること。
4)必修科目、演習形式という性質上、定期試験のみでの成績評価は行わない。授業への参加態度、提出物なども主な評価要素
となる。
5)TOEFL ITP( レベル1) スコア(550 点以上)、TOEFL IBT(80 点以上)、TOEIC(865 点以上)、英検1級で、必修英語科目への単位振替をおこなっている。詳しくは学生便覧を参照のこと。

英語の選択科目について(選択科目:全年次)
1.目的および目標
  英語A、B、C、Dと同時進行で履修できる選択科目であり、英語に意欲的な学生に対してさらなる学習の機会を提供することを主眼としている。国際的コミュニケーション能力を高め、文化的背景についての教養を深めることを目標としている。
 選択英語I
 選択英語Ⅱ

2.履修上の注意
  1)この科目は学期外に適宜開講されるので、掲示に従って履修すること。
  2)履修希望者が多い場合、人数制限を行う。
  3)オールド・ドミニオン大学(アメリカ合衆国)夏季語学研修の単位振替は、この科目をもって行なう。

その他
  大学院においても英語(ラクストン)、総合技術英語(ロング)、国際関係概論(八丁)、批判的テキスト理解I、Ⅱ(虹林)を開講している。こちらの聴講(履修は不可)を希望する学生は、担当教員に相談すること。

外国系科目(初修外国語)
1.目的
  外国語は未知なる世界の扉を開ける鍵である。形は千種百様のように見えるが、開け方そのものは実に共通している部分が多い。要領を一つ心得ておけば応用が可能となる。また、不思議なことに、それが何らかの形で母語にフィードバックし、客観的に日本語を見つめ直すきっかけを与えてくれる。これまでの英語学習ですでにその経験をした学生は新しい扉へと進み、そうでない学生は今度こそとゼロからチャレンジしてもらうことが初修外国語科目の目的である。アジアとヨーロッパからそれぞれ2カ国語ずつ用意しているが、もちろんこれで十分というわけではない。グローバル化が加速する中、何語が役に立つかを考えるよりもむしろ、何語にでも取り組む姿勢や心意気が大事だと思われる。真の国際人として時代の要請に応えていくための一歩を、とにかくここから踏み出してくれるよう望む。

内容
  ドイツ語ⅠⅡⅢⅣ
  中国語ⅠⅡⅢⅣ
  フランス語ⅠⅡⅢⅣ
  韓国語ⅠⅡⅢⅣ

履修上の注意
 ⅠⅡは1年次の選択必修科目である。どの言語を履修するか、希望調査を基に決定する。なお、同じ言語でクラスが複数ある場合も、クラスの適正規模を考慮し、適宜に振り分ける。
 ⅢⅣは2年次の選択語学科目である。1年次に履修した言語と英語DⅠ/DⅡのどちらかを選択して2単位修得しなければならない。

保健体育系科目
Ⅰ.「保健体育系」の目的・目標
1.身体、身体運動やスポーツ(Muscular Activity)についての科学的思考能力の育成
2.健康(度)や体力(フィットネス)の保持・増進
3.運動、スポーツ技能の修得
4.社会性やコミュニケーション能力の育成
5.運動、スポーツ文化の継承と発展
6.生涯スポーツへの橋渡し

Ⅱ.保健体育系における授業の方向性
 スポーツ運動学の実技において身体活動や筋運動を通した教授学習過程におけるシークエンスの観点からすると、以下の事が基本原則である。
 体育実技における教授・学習計画の基本法則
1.運動(スポーツ種目)強度
 「軽度から中等度をへて高強度へ」
2.時間(継続、実施)
 「短」から「長」へ
3.頻度
 「少」から「多」へ
4.量(強度 x 時間)
 「少」から「多」へ
5.タイプ
 「易」から「難」へ
 「簡単」から「複雑」へ

Ⅲ.保健体育系科目の種類
1.人間科学基礎科目:スポーツ運動学実技A およびスポーツ運動学実技B
2.人間科学副専門科目:健康スポーツ科学論
 「保健体育系」の目的・目標の理論的立場の教授と学習、さらなる応用的側面を講義では取り扱う。
3.リレー講議科目関連:リレーセミナー
 上記のスポーツ運動学の実技、講義の受講以降、実験・実習科目としても少人数による教育をおこなっている。大学院教育(生命体工学研究科 生体機能 生体適応システム講座)との関連で言及する内容を一部、講議・演習形式できるように実施している。それは「体力」あるいは「ヒトの適応能」の定量化実験を含んだ内容から構成されている。

人間科学科目(留学生)
1.目的
 留学生が速やかに大学の教育環境に適応し、日本社会に対する理解を深めることができるように、日本語と日本事情の教育を行う。
 具体的な目標としては、
1)日本社会・文化について大学生として知っておくことが望ましい知識を獲得する。
2)大学生として必要な日本語の語彙や文法、読解力、聴解力を獲得する。
3)日本語での情報を正確に理解し、自分なりの考えを論理的に表現する力を養う。
4)自分なりの日本語学習の習慣を確立し、専門の学習に備える。

2.日本語と日本事情の科目の履修について
 日本語AⅠ、AⅡ、BⅠ、BⅡは1年次に、日本語CⅠ、CⅡは1年次または2年次に履修する。これらの単位は外国語系科目に振り替えることができる。
 日本事情A、日本事情Bは1年次または2年次に履修する。これらの単位は人文社会系科目に振り替えることができる。
 上記の科目の他に1年次から3年次の学生を対象にした日本事情C、日本事情D が金曜日に開講され、これらの単位を取得して人文社会系科目に振り替えることができる。時間割を参照して、履修を希望する者は最初の講義に必ず出席すること。